格安物件が集まる関西の別荘地

道の駅 別荘生活
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別荘をいざ購入しようとしたとしても、価格が高額で資金の捻出もままならないことは少なくありません。
特に新築となればなおさらで、建物本体の建築だけにとどまらず、配管・配電工事や外構整備のための料金がかかりますし、敷地となるべき土地についても別途見繕っておく必要があります。

こうした場合の第二の選択肢として、中古別荘を購入することが挙げられます。

中古別荘を購入するメリット

中古別荘にはいくつものメリットがありますが、最大のメリットとしては新築物件よりも価格が安いことが挙げられるでしょう。
もちろん物件の状態しだいでは建て替えやリフォームが必要な場合もありますが、逆に以前のオーナーがしっかりメンテナンスをしていた物件であれば、多少の経年劣化があったにしても、手を加えずに引き続き快適に過ごすことは可能です。

しかも、以前のオーナーが設置した設備はそのまま使えますので、工事の費用がかさむトイレやバスルームなどの上下水道の配管工事・浄化槽設置工事などを行う必要はありませんし、土地も駐車場もそのまま付いてきます。

問題はそのような中古別荘が実際にあるのかどうかですが、関西方面のいくつかの別荘地では、手頃な価格帯の中古物件が不動産市場に登場することも多く、狙い目といえます。

平地で眺めのよい琵琶湖畔の別荘地

琵琶湖といえば日本最大の面積をもつ湖として知られていますが、京都や大阪のような大都市にも比較的近いことから、JR湖西線や国道161号湖西道路、名神高速道路、北陸自動車道を使っていろいろな場所から気軽にアクセスできるのが魅力です。
もちろんレジャーの拠点としても使い勝手がよく、釣りやカヌー、グライダーなどの体験型レジャーが特に人気となっています。

鉄道の最寄り駅でいえば安曇川駅や近江今津駅の周辺、線路東側の湖岸に近い平坦地が関西方面でも特に別荘が集まっているエリアであり、そのほかにも湖畔からは離れますが、山間部の朽木谷にも別荘地が開発されています。

別荘地全体を管理会社が管理しているところでは、やはり400万円台や500万円台の中古別荘がスタンダードですが、自主管理の別荘地であれば、200万円台の中古別荘などもたまに見かけます。

ウィンタースポーツの拠点となる蒜山高原

日本海を望む風光明媚の地で国立公園にも指定されている伯耆大山の周辺にも、いくつかの別荘地が点在しており、自然の風景とマッチしたログハウス調の建物が多いのが特徴です。

「ゲゲゲの鬼太郎」で妖怪の町おこしをしている境港市や商業都市としてにぎわう米子市に近い大山町や琴浦町、やや内陸に入って伯耆町や岡山県真庭市を中心とする蒜山高原などが、ここでいう伯耆大山周辺のエリアにあたります。

このエリアはスキー場が多く、ウィンタースポーツの拠点として別荘を購入するのには最適といえます。
もちろん夏場も雄大な大山の風景を眺めながらのんびりと過ごすことができ、価格も比較的手頃ですので、いろいろな使い方ができるでしょう。

単身世帯やカップル用の小規模なログハウスであれば、100万円以下の中古別荘がときどき不動産市場に登場しますし、それ以外の中古別荘も200万円台から400万円台ぐらいの安いものがあります。

ただし、あまりにも価格が安い場合には、上水道の供給がなく、バスルームやキッチンなどの水回りの設備が付いていなかったり、どこか別の場所からポリタンクで水を運んで持ち込む必要があったりすることがあります。使用目的と価格を天秤にかけて、多少のデメリットならば甘受できるのかどうかが、選択のポイントといえます。

神戸や姫路へのアクセスがよい東条湖畔

ゴルフ場が多く緑豊かな東条湖周辺の兵庫県加東市、さらに西側の西脇市、多可町あたりの山間部にも中古別荘が多くみられます。

この付近は姫路市や神戸市といった大都市に近く、マイカーでアクセスするのも容易であり、週末だけ別荘で過ごすライフスタイルを実践したい人にとってはもってこいの場所です。

関東のミニ別荘地とは違い、街路なども比較的整備されていますし、冬季の積雪もそれほど心配はありませんので、年間を通じて快適な生活を楽しむことができます。

なお、この地域の別荘物件については、価格が安い理由として、管理会社が倒産して周辺共有地の良好な管理が期待できないために安くなっている場合と、逆に管理会社へ毎年納付する管理費が高額すぎるため、本体価格を安くすることでその負担をカバーしている場合の両方が想定されますので、物件の購入を即決するのではなく、個別の事情をよく把握した上で慎重に判断するのがよいでしょう。

別荘を購入するなら管理体制に注意

これらの別荘地では中古の土地付き別荘物件が格安で販売されているケースが多いものの、契約前に立ち止まって考えたいのが別荘地の管理体制についてです。
特に注意したいのが、開発当時の管理会社が倒産し、別の会社が管理を引き継いだケースです。

管理会社が変更されたとしても、開発当時と同様の良好な管理体制が確保されていればよいのですが、私道の舗装、共有地の除草、防犯灯の交換、ごみ集積書の管理などといった日常業務がおろそかにされているにもかかわらず、別荘のオーナーに法外な管理費で再契約を求めるケースもしばしば聞かれます。

もちろん契約は双方の合意によって成立するものであり、別荘のオーナーは不審を感じれば契約を拒否することはできますが、そうすると困った問題が発生することになります。
道路が私道で水道は共用という場合、おそらく道路敷や水道設備の所有者の名義は管理会社ですので、契約を拒否したときから道路や水道が使えなくなってしまうおそれがあります。

裁判で契約無効を求めることはできるとしても、判決に至るまでにかなりの期間がかかりますし、まったく支払いをせずに道路や水道を使うことも裁判のなかではおそらく認められず、適正水準であれば利用料は負担する必要が出てくるものと思われます。

こうした管理体制をめぐるトラブルは古い時代に造成された別荘地にはつきものですので、下調べをしっかりとした上で購入に臨みたいものです。