空き家を所有している場合の税金の注意点とは

不動産

少子高齢化が進む現在、全国的に管理が不十分な空き家や空き地の問題が深刻となっています。こうした状況を踏まえ、国は空き家対策特別措置法を制定し、問題解決に向けて動き出すこととなりました。そこで気になるのが、こうした空き家を所有している場合の税金の負担についてです。

空き家対策特別措置法の制定

最近では空き家となった住宅が老朽化して倒壊し、道路や民家に被害を与えてしまったり、ごみの不法投棄で悪臭の原因になってしまったりと、社会問題のひとつとして取り沙汰されることが多くなりました。

空き家が発生する原因はいろいろとありますが、たとえば元の持ち主が亡くなってしまい、子どもが相続をしたものの、マイホームはすでにあるため他に用途が見当たらないといった場合が想定されます。また、別荘として購入してはみたものの、持ち主が高齢となり自宅から移動するだけでも大変なため、管理が行き届かなくなったといった話もよく聞かれます。

そのため、空き家対策特別措置法が制定され、行政としても空き家による弊害防止のためにさまざまな措置が実施できるようになってきています。

空き家対策特別措置法による具体的な措置とは

空き家対策特別措置法の規定により、管理が不十分な空き家には固定資産税における住宅用地の特例を適用しないことにより税負担を増やし、間接的に除却を促すことが認められようになりました。

また、行政から除却、修繕、立木などの伐採、その他周囲の生活環境を保全するために必要な措置を命じられたにもかかわらず、所有者がその命令に応じないときは、行政代執行によって市町村が建物を除却して、費用は所有者に請求することができ規定も盛り込まれています。

固定資産税と住宅用地の特例

土地や建物を所有している場合、その所有者に対して、固定資産税とよばれる市町村税の一種がかけられることになっています。都市部の土地についてはあわせて都市計画税とよばれる税金も課税されます。
固定資産税は、不動産の価値をあらわす課税標準に税率を乗じて税額を求めます。

しかし、住宅用地の特例とよばれる制度によって、人が居住する建物の敷地となっている土地は、一定面積までは課税標準が軽減されることになっています。
たとえば、200平方メートルまでの住宅用地については、土地の課税標準は本来の6分の1にまで軽減されることになっています。

そのため、従来はすでに空き家になっている建物を所有していたとしても、取り壊すよりもむしろ建物が建っている状態にしておいたほうが、固定資産税の計算上は有利となっていました。
これでは空き家を放置したまま固定資産税のがれをする事例が増加し、ますます老朽化による危険をもたらしてしまいます。

そこで空き家対策特別措置法では長期間にわたって適正管理がなされていない空き家について、今後は固定資産税の住宅用地の特例が適用されないことにしたものです。

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